人がやらないことをやる (16/10/17)
昨年の大村智先生に続き、大隅良典先生がノーベル医学生理学賞を受賞され、「人がやらないことをやるのがサイエンスの本質」と、二人が同じことをおっしゃっています。ハヤリの研究をすれば、資金が得やすいのですが、「基礎研究を捨てて実用化研究ばかりに走ってはサイエンスの進歩はない、このままでは将来のノーベル賞受賞者が出なくなる」と警鐘を鳴らしています。
顕微鏡で毎日、毎日、酵母の生態を見ているうちに、酵母に愛情を持ち、酵母の気持ちと同調するようになり、さらにその液泡内でたんぱく質の破片がうごめく姿を見ているうちに、不要だったり、傷ついた蛋白質を自分で分解し、再構築の原料にしたり、異物の排除という生産活動をしているに違いないと確信し、そのメカニズム、それをつかさどっている遺伝子を特定する大発見をされたのではないかと推測しています。この遺伝子が傷つけば、各種の病気が発生すること、その情報から病気の治療法が開発されるだろうことは容易に推測されます。
すべての生物に共通の機能なので、学術、ビジネスに多くの可能性があり、ハヤリの研究はやらないと言いながら、ハヤリを作ってしまいそうです。
大隅先生の研究室では当社培養装置が活躍しています。