ウナギはやはり神秘だ (14/05/01) - ことば集 - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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ウナギはやはり神秘だ (14/05/01)

2013/02/01に「ウナギ性成熟プラン」を書きました。ニホンウナギはアジア各地から2500キロ泳いで西マリアナ海嶺の産卵場へ旅する間に、何らかのトリガーが作用して卵の成長が始まるのですが、そのトリガーが何なのか分かっていません。産卵場まで泳ぐ間に毎日深海と浅海を往復するので圧力、温度や日照の変化にさらされます。今までの研究ではこれらを日周変化させても、2500キロ泳がせても卵は成長しませんでした。
海洋開発機構の小山様、日大(元東大)の塚本先生と私は、深海の溶存酸素が浅海の半分以下になることに注目し、溶存酸素が低い環境で、生命の危険を感ずることがトリガーではないかと仮説をたて、毎日溶存酸素と温度を変化させる装置を作っていらご研究所で実証実験をしました。たとえ実証できても、ウナギはホルモン注射で産卵できるので、実際に利用する必要はないかも知れませんが、好奇心です。
昨年12月の新月の夜に伊良湖岬で産卵のため川から海へ下る親ウナギを30匹捕獲し、実験に当たりました。5ヶ月たった先月4月に解剖してみたら、卵は成長していませんでした。がっかりでしたが、謎はまだ残ったままです。
誰かが謎を解明するのでしょうが、それまで神秘です。