9回の失敗をしなければ1回の成功は得られない (12/10/15)
京都大学山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞しました。NHKのインタビューの中で山中先生は「9回の失敗をしなければ1回の成功は得られない」とおっしゃっていました。
高校時代は10回以上も骨折しながら柔道に、そして大学時代はラグビーに明け暮れていたようですが、思い込んだら集中するタイプなのでしょう。外科医時代、不器用で要領が悪く、通常20分で終わる手術に2時間かかり、「邪魔中」と言われたそうです。
医者としての挫折を味わい、研究に転身しても、うだつが上がらず、再度得た研究の機会に「どうせやるなら世の中になかったことに挑戦しよう」と決め、肝臓、神経等のどの器官にも変わりうる万能細胞の樹立に挑戦し、特定の4個の遺伝子を皮膚の細胞に組み込んで万能細胞(iPS細胞)に変化させる初期化に成功したのです。
無謀とも思える挑戦で、成功までにどれだけの試行錯誤を繰り返したか分かりませんが、1/10か1/100の成功を信じて挑戦してきたのでしょう。挑戦しなければ何も得られませんし、挑戦するうちに確率は上がります。私たちは安全な道を歩いてしまいがちですが、しっかりした目標と戦略を持って挑戦することが大事である事を教えられます。
1・2分の立ち話でしたが、山中先生とお話しする機会があり、温厚で、謙虚な人柄とぶれない研究姿勢を感じました。ちなみに再生医療を目指す女子医大のFIRSTプログラムの中で、当社は培養装置を工夫してiPS細胞の大量培養に成功しました。iPS細胞の実用化にお役に立てれば良いのですが。