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ウナギ性成熟プラン (13/02/01)

ウナギはシラスウナギ(ウナギの稚魚)を捕って養殖していますが、近年シラスウナギの漁獲量が世界的に激減し、ウナギ高騰を引き起こしています。当然卵から育てる完全養殖に期待が集まります。しかし、親ウナギをいくら飼っていても、卵を持ちません。どこにも卵を持ったウナギがいないので、アリストテレスの時代から、ウナギは泥から生まれると言われていたのです。ウナギは晩秋から初冬の新月の夜に川を下り、2500キロ離れた西マリアナ海嶺へ移動する間に卵を持ちます。その間、昼は深海を、夜は表層付近を何も食べず、半年近くかけて移動します。それならその環境を再現すればウナギが卵を持つのではないかと、毎日周期的に圧力と温度を変えても、さらには水流を与えて2500キロ相当を泳がせても卵を持ちません。

我々は東大の塚本先生をリーダーに海洋開発機構の小山様、ウナギの研究をしているいらご研究所と共同でウナギの性成熟のキーは溶存酸素ではないかと推測して性成熟の実験を進めています。海の表層は溶存酸素が高く、中層では半分以下に減ります。生物は生命の危機があると、子孫を残す活動をするのが一般的なので、酸素が減る、苦しい環境が性成熟の引き金になっているのではないかとの推測です。ウナギ30匹の個室マンションで、酸素と温度を周期的に変化させる装置を作って親ウナギを飼育する予定でした。ところが装置は作ったのですが、産卵のために海へ下る親ウナギが捕れず、実験に支障を来しています。過去何十年も捕れなかった年はなかったそうで、さらなるウナギの減少が懸念されます。

我々の推測はあっているのでしょうか。