マクスウェル - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第16回 マクスウェル

マクスウェル (1831~1879)

科学者、技術者の立志伝には読物としても面白いものが多い。しかし、近年そうした典型的な立志伝が成立しにくい背景になってきた。世の中が豊かになったせいもあろうが、だいいち、たったひとりで何もかも成し遂げるというようなことがなくなった。技術の進歩は、いまや多くの人間のあいだでキャッチポールのようにやりとりされるなかで進んでいくようになった。
 物をつくる技術者の場合にはまだ"独創"の可能性もいくらか残されているかもしれない。が、科学者の場合にはもっとずっと早い時期からいわば"群創"の時代に突入したと言ってよい。電磁気学の建設者マクスウェルが登場した時代はまさにその端緒であり、英国を中心に数学・科学・技術の絢爛たる華が咲き誇った。マクスウェルもそれまでの立志伝中の人物とは全く違って裕福な環境に生まれ育ち多くのライバルや友人科学者に恵まれた。こうした人々に刺激されることでマクスウェル自身も大きな業績を残すことができたのである。
 それは物語としては面白みを欠く。しかし、新しい時代のありようを示したという点では非常に興味深い。マクスウェルのポジションが良かったということは、とりもなおさず情報の質と量に恵まれていたということである。今日では情報の差こそが開発競争の雌雄を決するといっても過書ではないだろう。