オンネス - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第22回 オンネス

オンネス (1853~1926)

フランス革命の犠牲者となってしまった科学者、ラボアジェは生前こう予言していた。「物質を冷却することでこれまでに見たこともないような新しい液体がつくられるだろう」果たして予言はその通りとなり、それから百年の間にアンモニア、塩素、エチレンなどが次々と人工的に液化されていった。しかし酸素、窒素、水素の液化はなかなか成功せず、これらは永久気体と呼ばれていた。ところが1877年のクリスマス・イブに、二人の科学者が全く別の方法で、相前後して酸素の液化に成功したのである。こうして極低温での気体液化レースの幕が切って落とされた。
 続く水素の液化に成功したのはデュワー瓶で知られるジェームス・デュワーであった。翌年には固化にも成功し、デュワーは自分が絶対零度にいたる最終段階に来ているものと考えた。しかしそれは間違いだった。それよりもっと低い温度で液体になる元素、ヘリウムが存在することがわかったのである。レースは最終ラウンドに持ち越された。
 優勝をさらったのはオランダの科学者カメルリング・オンネスだった。オンネスはこのとき、超伝導というまったく新しい物理学の現象をも発見した。オンネスの勝利は、気体液化レースのうえではゴールであったが、液体ヘリウムを使った極低温下での物理学の研究にとっては、今日に続く輝かしい出発点を意味していたのである。