シュリーマン - コーヒーブレイク - 【ニーズを形にする】開発型ベンチャー企業 エイブル株式会社 株式会社バイオット

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第36回 シュリーマン

シュリーマン (1822~1890)

7歳のとき、シュリーマンは絵入りの世界史の本を読みトロイ戦争に魅せられた。このトロイは今もどこかに埋もれているに違いない。いつの日にか必ずそれを発掘しよう。神話の世界の話だと思われていたトロイ。しかしその44年後、彼はトルコのヒッサリクの丘にトロイを発掘する。少年の日の夢の実現といえば簡単だがそこまでの道のりを知るとき、彼の人生設計の確かさが見えてくる。
 シュリーマンは貧しい牧師の息子として東ドイツに生まれた。14歳のとき、学業を中断しなければならなくなり、彼は雑貨商の徒弟となった。そこで考えたのは先ず語学を身につけることであった。トロイを発掘するにはギリシャ語が解らなければならない。こうして語学に熱中、やがて十余りもの国の言葉を話せるようになった。これが商売の面でも大いに役だった。主人に重宝がられてあちこち出かけて行くうちに信用を得、やがて独立すると莫大な財産を築いた。発掘に必要な財力を獲得した彼は事業から身を引き、次にフランスで考古学を学ぶ。そして46歳になって遂にトロイ発掘へと乗り出すのである。
 現代の若者は夢が持てないという。情報の多さやスピードに対応しようとして、一元化、平均化した若者ばかりか出来ていく。将来の大きな夢のために、長いステップをひとつずつクリアーしていく、シュリーマンのような根気さがいまこそ必要なのかもしれない。